館長あいさつ
2018(平成30)年4月から館長を務めております上條史生(かみじょうふみお)と申します。どうぞよろしくお願いします。
塩尻市立図書館は、2021(令和3)年4月で開館50年、半世紀の節目を迎えました。併せて、重点事業である「信州しおじり本の寺子屋」も10年目です。開館50周年・寺子屋10周年記念事業を展開し、より多くの市民の皆様に図書館サービスと本の寺子屋の活動を知っていただき、図書館をご利用いただく機会になればと願っております。未知の伝染病の驚異により社会や生活のあり方が様変わりするなか、本への期待や新たな図書館サービスの可能性が高まっていると捉えております。感染症対策に万全を尽くしながら職員の知恵と意欲を結集して進化する図書館を目指します。

塩尻市立図書館の歴史をたどると、1966(昭和41)年に長野県桔梗ヶ原高等学校図書館を市が県から買い受けて開設した塩尻市教育委員会附属図書室を出発点として、1971(昭和46)年に塩尻市立図書館が発足しました(写真)。1981(昭和56)年には、複合文化施設である塩尻総合文化センターが新築され、3階に新館がオープンしました。1983(昭和58)年の広丘分館から1988(昭和63)年の吉田分館にかけて7館の分館が設置されました。1996(平成8)年には塩尻出身の出版人で筑摩書房創業者である古田晁(ふるたあきら)を顕彰する記念館が開館しました。2005(平成17)年には木曽郡楢川村と合併、旧村立図書館を分館に加えました。2010(平成22)年には、図書館を核とした複合施設である市民交流センター「えんぱーく」が開館し、現在に至っています。こうした歴史のなかで、多くの市民の皆さんにご利用いただき、施設規模と蔵書数を拡大し、変化する時代に応じてさまざまな図書館サービスを実現してきています。
えんぱーくに移転して以降、塩尻市立図書館は進化を加速させました。2012(平成24)年には、「本の可能性を考える」をテーマにした「信州しおじり本の寺子屋」を開講し、県内外から注目される企画として継続しています。2015(平成27)年には「子ども本の寺子屋」を開始しました。Library of the Year 2015優秀賞を受賞したことは、大きな励みとなりました。2016(平成28)年には、「ビジネス情報相談会」を開始し、翌年の「地方創生レファレンス大賞審査会特別賞」の受賞につながりました。2017(平成29)年には、本の寺子屋に「地域文化サロン」を加えるとともに、韓国からの視察団訪問を受けて「韓日出版文化フォーラム」が実現しました。また、書店・印刷会社との共同企画「贈り帯」を開始しました。2018(平成30)年には、3Dプリンタを活用してくださっている立体地形図の会の皆さんの御協力を得て、上高地インフォメーションセンターで「新山岳展」を実施し、「地方創生レファレンス大賞奨励賞」を受賞しました。また、「10代が考える図書館づくり」をテーマにした若者による活動「しおり部(Shio-Lib)」の活動を始めました。2019(令和元)年は、7月に北部交流センターえんてらすの広丘図書館を開館、10月には楢川分館を移転開館しました。12月には、神奈川県大和市、岐阜市との間で「図書館の連携・協力に関する同盟」を締結しました。先駆的な取組をしている大和市の「地域創造拠点シリウス」、岐阜市の「みんなの森ぎふメディアコスモス」の各図書館との間で情報交換を行いノウハウやアイデアを取り入れながら「進化する図書館」への取組を行います。開館50周年の節目を迎え、次の時代に向けて、さらに多くの皆様にご利用いただけるよう地域における図書館サービスの充実に努めます。
本を前にした子どもたちの笑顔と目の輝きは昔も今も変わらず図書館の宝物です。これからも積み重ねてきた歴史を大切にし、市民の皆さんのお声を聞き、図書館員一人ひとりの意欲と能力を高めながら、新たなことへの挑戦を続けていきます。


塩尻市立図書館長 上條 史生