館長あいさつ

2024(令和6)年4月から館長を務めております矢澤 昭義(やざわ あきよし)と申します。どうぞよろしくお願いします。

塩尻市立図書館は、2021(令和3)年4月に開館50年、半世紀の節目を迎えました。重点事業である「信州しおじり本の寺子屋」は2024(令和6)年度に13年目を迎え、子ども本の寺子屋も10周年を迎えます。より多くの市民の皆様に図書館サービスと本の寺子屋の活動を知っていただき、図書館をご利用いただく機会になればと願っております。塩尻市立図書館では「第2次塩尻市立図書館サービス計画」を策定しました。計画期間の9年間で皆様にとって図書館がより身近で、使いやすく、新たな発見があり、居心地の良い場所となるための目標を定めています。職員の知恵と意欲を結集し、創意工夫を凝らした図書館サービスを提供し、今後も進化する図書館を目指します。

塩尻市立図書館の歴史をたどると、1966(昭和41)年に長野県桔梗ヶ原高等学校図書館を市が県から買い受けて開設した塩尻市教育委員会附属図書室を出発点として、1971(昭和46)年に塩尻市立図書館が発足しました(写真)。1981(昭和56)年には、複合文化施設である塩尻総合文化センターが新築され、3階に新館がオープンしました。1983(昭和58)年の広丘分館から1988(昭和63)年の吉田分館にかけて7館の分館が設置されました。1996(平成8)年には塩尻出身の出版人で筑摩書房創業者である古田晁(ふるたあきら)を顕彰する記念館が開館しました。2005(平成17)年には木曽郡楢川村と合併、旧村立図書館を分館に加えました。2010(平成22)年には、図書館を核とした複合施設である市民交流センター「えんぱーく」が開館し、現在に至っています。こうした歴史のなかで、多くの市民の皆さんにご利用いただき、施設規模と蔵書数を拡大し、変化する時代に応じてさまざまな図書館サービスを実現してきています。

えんぱーくに移転して以降、塩尻市立図書館は進化を加速させました。2012(平成24)年には、「本の可能性を考える」をテーマにした「信州しおじり本の寺子屋」を開講し、県内外から注目される企画として継続しています。2015(平成27)年には「子ども本の寺子屋」を開始しました。Library of the Year 2015優秀賞を受賞したことは、大きな励みとなりました。2016(平成28)年には、「ビジネス情報相談会」を開始し、翌年の「地方創生レファレンス大賞審査会特別賞」の受賞につながりました。2017(平成29)年には、本の寺子屋に「地域文化サロン」を加えるとともに、韓国からの視察団訪問を受けて「韓日出版文化フォーラム」が実現しました。また、書店・印刷会社との共同企画「贈り帯」を開始しました。2018(平成30)年には、3Dプリンタを活用してくださっている立体地形図の会の皆さんの御協力を得て、上高地インフォメーションセンターで「新山岳展」を実施し、「地方創生レファレンス大賞奨励賞」を受賞しました。また、「10代が考える図書館づくり」をテーマにした若者による活動「しおり部(Shio-Lib)」の活動を始めました。2019(令和元)年は、7月に北部交流センターえんてらすの広丘図書館を開館、10月には楢川分館を移転開館しました。12月には、神奈川県大和市、岐阜市との間で「図書館の連携・協力に関する同盟」を締結しました。先駆的な取組をしている大和市の「地域創造拠点シリウス」、岐阜市の「みんなの森ぎふメディアコスモス」の各図書館との間で情報交換を行いノウハウやアイデアを取り入れながら「進化する図書館」への取組を行います。2024(令和6)年には「第2次塩尻市立図書館サービス計画」を策定し、次の時代に向けて、さらに多くの皆様にご利用いただけるよう地域における図書館サービスの充実に努めます。

第2次塩尻市立図書館サービス計画の<ありたい姿>

 世界が広がり 未来がひらける 知の交流拠点

―居心地がよく、ワクワクし、また来たくなる―

図書館は、いつでも、だれでも、あらゆる情報や知識とつながることができる知の交流拠点です。そのため、先人の思考に触れることや想像の世界を旅すること、好奇心を満たし新たな扉を開くことなど、自身の可能性が広がり、深まっていく機会を容易に得ることができます。塩尻市立図書館は、読書の可能性を広げ、生涯に渡る学習の場としての役割を果たすとともに、知恵や文化などを未来につなぐため、あらゆる情報や知識を集約・整理し提供します。

そして、様々な興味や関心にこたえるために、意見や要望を取り入れながら役立つ情報の提供やサービスを展開します。また、このような取組を通じて新たな発見や交流を生み出し、市民にとって居心地が良く、また来たくなる図書館を目指します。

第2次塩尻市立図書館サービス計画で掲げた「ありたい姿」は、図書館だけでなく市民の皆様と共にかなえていくためのものです。今後も愛着を持っていただける図書館になるために挑戦し続けていきます。図書館職員一同、ホスピタリティを持って皆様のご来館を心よりお待ちしています。

発足当時の塩尻市立図書館写真
発足当時の塩尻市立図書館(手前の建物)
図書館こども会写真
図書館こども会

塩尻市立図書館長 矢澤 昭義