告知内容

映画監督の高橋伴明さんと作家の故・立松和平さんの妻横松美千繪さんによる映画と本の話。「本の寺子屋」コーディネーターの長田さんがその魅力をたっぷりお聞きします。

日時

2018年5月20日(日曜日)13:30~15:30

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)5階イベントホール

講師

高橋伴明さん(映画監督)

1949年奈良市生まれ。1969年早稲田大学に入学するが、第二次早稲田闘争に参加。学籍を抹消。1972年『婦女暴行脱走犯』にて監督デビュー。以降50数本のピンク映画を監督。1982年『TATTOO<刺青>あり』でヨコハマ映画祭監督賞受賞。1994年『愛の新世界』で”おおさか映画祭”監督賞受賞。以後、脚本・演出・プロデュースと幅広く活躍。他に代表作として『DOOR』(1988)、『ネオチンピラ・鉄砲玉ぴゅ~』(1990)、『獅子王たちの夏』(1991)、『セラフィムの夜』(1995)、『迅雷』(1996)、『大いなる完』(1998)、『光の雨』(2001)、『火火』(2005)、『丘を越えて』(2008)、『禅 ZEN』(2009)、『BOX』(2010)。

横松美千繪さん(故・立松和平氏夫人)

1946年東京生まれ。1970年『早稲田文学』編集室で学生の立松和平と知り合う。1971年結婚。1979年から文筆活動に専念する立松と2010年に亡くなるまで共に暮らす。文筆をする長男、絵を描く長女あり。孫9人の祖母。

長田洋一さん(編集者、「本の寺子屋」コーディネーター)

1944年生まれ。編集者。河出書房新社『文藝』元編集長。現在アーツアンドクラフツ編集顧問。立松和平、田中康夫、俵万智、辻井喬、中上健次など多くの作家の誕生に携わった。「本の寺子屋」企画者。安曇野市在住。

講演概要

高橋伴明さん、横松美千繪さん
講演会全体写真

「信州しおじり 本の寺子屋」第7期がスタートしました。初回となる5月20日(日)は、映画監督・高橋伴明さんと作家の故立松和平さんの妻・横松美千繪さん、そして本の寺子屋コーディネーターで編集者の長田洋一さんが鼎談し、映画や作家についてそれぞれの思いを語りました。

鼎談は、立松さんの回想を中心に展開しました。横松さんは、宇都宮市職員時代の立松さんのエピソードを披露。立松さんは市職員として働きながら小説家を目指しており、仕事中に書類の裏に「内職」をしていたそうです。どこでも書ける集中力を持っており、書いてさえいればご機嫌だったと振り返りました。

高橋さんは、立松さんの小説「光の雨」を映画化した当時の思い出として、ロケ現場で立松さんが一心に祈っていた姿が忘れられないといいいます。また、立松さんの作品について「ぜひ生原稿で読みたい。人柄がにじみ出ている」と話しました。

最後に長田さんが「小説や映画に限らず表現者が命を削って作ったものに触れたときの感動の尊さをより感じるようになっている。彼らの思いを聞くことを続けていきたい。本の寺子屋がそういう場となっていることは幸い」と思いを語って締めくくりました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

20180520