告知内容

出版社「筑摩書房」創立者で北小野出身の故・古田晁にちなんだ講演会です。

昨年、「太宰治賞」を受賞した作家サクラ・ヒロさんの講演会と、最晩年の古田を知る編集者の山本克俊さんの講演会の2部構成で行います。古田の出版への思いや筑摩書房在籍時に出会った作家たちとのエピソードなどをお聞きします。

日時

2018年10日21日(日曜日)13:30~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階多目的ホール

講師

サクラ・ヒロさん

1979年愛知県生まれ、大阪府出身。立命館大学文学部卒業。IT企業で勤務後、フリーライターとして活動。2016年、『星と飴玉』で第32回太宰治賞の最終候補に選出。2017年、『タンゴ・イン・ザ・ダーク』で第33回太宰治賞を受賞。

山本克俊(やまもとかつとし)さん

1948年神戸生まれ。早稲田大学法学部卒業後、1972年筑摩書房に入社。ちくま新書編集長を経て、全集編集部部長。宮沢賢治全集や柳田国男全集など個人全集・シリーズの編集に従事。かたわら太宰治賞事務局・日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師を務める。およそ40年にわたる編集者生活の後、2012年定年退職。現在は、フリーの編集者として出版に携わる。

講演概要

第1部

2017年に『タンゴ・イン・ザ・ダーク』で第33回太宰治賞を受賞したサクラ・ヒロさんと、作品の出版を支えた筑摩書房の編集者山本充さんとの対談です。

サクラさんの好きな作家は、夏目漱石や村上春樹。最初に書いた小説は、中学2年生の時で、友情が壊れる話だったそうです。会社勤めを経て、フリーライターとなり、小説を書いては賞に応募する生活をしていたとの事。第32回の太宰治賞に応募した、うだつの上がらないサラリーマンの苦悩を描いた『星と飴玉』で初めて手ごたえを感じたそうです。

小説の題材は二者の人間関係が多く、太宰治賞受賞作品『タンゴ・イン・ザ・ダーク』も夫婦の関係を描いたものです。私生活では子供も生まれ、現在は子育てに奮闘しているそうですが、この経験が今後の作風にも影響するかもしれません。

サクラ・ヒロさん

第2部

かつて筑摩書房の編集長として『新修宮沢賢治全集』や柳田国男全集の編集などに携わった山本克俊さんにお話を伺いました。

現在の出版流通業界の現状を説明した後、筑摩書房入社時の小料理屋での面接の思い出や、故・古田晁さんの晩年の様子、会社更生法が適用され、今後どうしていくか選択を迫られた際の状況などを伺い、古き良き時代の出版社の空気感のようなものを感じることができました。

これからの筑摩書房の活躍にも期待です。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

山本克俊さん
925c48bd4f34e93bfa67c22b18bb26fe