「信州しおじり本の寺子屋」事業の、くすのきしげのりさんの講演会の報告をしています。
講演会「一人一人が、みんなたいせつ ~絵本に託す願い~」
絵本『おこだでませんように』などの著者で、絵本作家、児童文学作家でもある、くすのきしげのりさんをお迎えし、講演会を開催します。作品をスクリーンに投影しながら絵本に託した「願い」についてお話しいただきます。
日時
2014年6月22日(日曜日)10時から12時
場所
塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階多目的ホール
講師
くすのきしげのりさん
1961年生まれ。徳島県鳴門市在住。日本児童文芸家協会評議員等歴任。「心豊かに生きる」をテーマに、小学校の教育現場における「徳育」を中心とした教育活動と、大学在学中より始めた創作童話・絵本・詩・童謡など児童文学の創作活動を続ける。その間,徳島県鳴門市立図書館副館長在職中には、民間との共同運営をはじめ,全国に先駆けた公立図書館における数々の改革や読書活動の推進に携わる。 2011年4月より「オフィス KUSUNOKI」を設立し、作家として児童文学を中心とする創作活動と講演活動を本格的にスタートさせる。絵本『おこだでませんように』(小学館)が2009年度全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年には,IBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リスト「世界のバリアフリー絵本」に選出されるなど、数々の賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ(1)~(4)(岩崎書店)『あたたかい木』(佼成出版社)『えんまのはいしゃ』(偕成社)『みずいろのマフラー』(童心社)『ええところ』(学研)『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)『泥かぶら』(瑞雲舎)など日本および海外において多くの作品がある。
講演会の様子


徳島県鳴門市在住で、長野県に来るのは高校の修学旅行以来というくすのきさんから、絵本に託した願いについて読み聞かせの実演も交えながらお話しいただきました。
絵本などを読むことは、「心に窓を開ける」ことだという考えに基づき、くすのきさんは読者の心に窓を開けたいという願いを込めて、「物語る力」のある絵本作りを目指しています。その作品には大きな事件や魔法などは登場しませんが、子どもの日常を描き、一人一人の子どもの心の動きによりそった物語で、子どもからも大人からも共感を得ています。
子育てについては、温室の中で盆栽を育てるようなものではなく、大人は子どもたちが多様な人間関係の中で想像力を育みながらタフな人間に成長できるような環境をつくることが必要だと主張されました。また、大人は子どもの心をわかっているようでわかっていないものであり、そのような大人自身もまた子どもの環境の構成要素の一つであるということを自覚するべきだとも指摘されました。
サイン会

講演会当日は塩尻書店組合によるくすのきさんの著書の販売があり、購入された方を対象にサイン会が行われました。写真は塩尻市立図書館あてに書いていただいたサイン色紙です。
「塩尻市立図書館に集うみなさんのおねがいがかないますように!!」