「信州しおじり本の寺子屋」の渡部幹雄さんによる講演会の報告です。

講演会「図書館でこんなこともできる!市民とつくるこれからの図書館」

いくつもの新図書館設立に指導的立場で携わってきた、渡部幹雄氏による講演会です。図書館づくりにおいて、渡部氏が大切にしていることや、市民・地域に根ざした図書館をつくるためのエッセンスを、実例を交えながらお話しいただきます。

日時

2015年9月28日(月曜日)10時から12時

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)4階・401A・B会議室

講師

渡部幹雄さん

和歌山大学附属図書館教授兼館長。和歌山県立図書館協議会委員。新長崎県立図書館専門会議委員。那智勝浦町教育委員会図書館アドバイザー。
1953年11月、大分県緒方町生まれ。1990年に大分県緒方町立歴史民俗資料館学芸員、1993年に長崎県森山町立図書館参事、2000年に滋賀県愛知川町立図書館長、2008年に滋賀県愛荘町教育長を経て、2012年からは和歌山大学附属図書館長を勤める。主な著書に、「地域と図書館(慧文社)」、「図書館を遊ぶ(新評論)」、共著に「新時代の社会教育と生涯学習(学文社)」、「図書館の活動と経営 -図書館とまちづくり- (青弓社)」など多数。

当日の様子

渡部幹雄さん1

渡部さんは、図書館は電子情報化などの転換期にあるが、その基本的精神は「不易流行」であり、コンピュータやインターネットが発達しても、複合的な情報提供は人間にしかできず、専門的能力と柔軟な思考や実行力をもった図書館職員が担うもの、と指摘されました。

そして各地域にあったオーダーメイドの図書館をつくる必要を説かれました。図書館が図書館の三要素「人」「施設」「本(資料)」を活かし、地域のニーズにあった情報を集め、住民自身の力を引き出した例として、ユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛氏の炭鉱画文集や公民館だより制作支援から出版・市民活動に発展した例、外国との異文化交流などを挙げました。
最後に、「『図書館は屋根のある公園』誰でも来られるところ。市民にとって『日常生活』になるような図書館づくりを」と呼び掛けられました。

渡部幹雄さん2
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