「信州しおじり本の寺子屋」の小池昌代氏、正津勉氏による対談の報告です。

対談「現代詩の行方」

詩人の小池昌代氏、正津勉氏が「現代詩の行方」と題して対談します。

日時

2015年11月8日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

小池昌代氏

1959年東京都生まれ。主な著作に、詩集『コルカタ』、短編集『言葉汁』『自虐蒲団』『悪事』、長編『厩橋』『弦と響』『たまもの』など。他に詩論エッセイ『詩についての小さなスケッチ』や詩のアンソロジー『通勤電車でよむ詩集』など著書多数。池澤夏樹個人編集・日本文学全集『口訳万葉集/百人一首/新々百人一首』の百人一首を担当。現代詩訳と解説に取り組んだ。

正津勉氏

1945年福井県生まれ。同志社大学卒業。1972年、『惨事』(国文社)でデビュー。代表的な詩集に『正津勉詩集』『死ノ歌』『遊山』(思潮社)、『嬉遊曲』、『子供の領分|遊山譜』(アーツアンドクラフツ)があるほか、小説『笑い かわせみ』『小説尾形亀之助』『河童芋銭 小説小川芋銭』、エッセイ『詩人の愛』『脱力の人』(河出書房新社)、『詩人の死』(東洋出版)など著書多数。

当日の様子

講師

お二人による詩の朗読を交えながら、創作に対する考えや今後の展望について対談していただきました。
正津さんは、現代詩は自然との接点を失い自我が肥大化する方向で進化しているという小池さんの指摘に同意し、進化への抵抗として現在は自然の中で過ごすことが多くなったといいます。
小池さんは、自然に対する畏怖の念や生死の生々しさなど、現代社会では隠されがちな部分を本来人間は求めているといい、それが「人間らしさ」であり詩に表現したいといいます。

お二人は特に3.11以降、自然に対する意識が強くなり、今後は創作の動機をより自然の中に求めていくだろうと語られました。
会場では塩尻書店組合によるお二人の著書の販売があり、対談終了後にはサイン会を行いました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

講師サイン
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