「信州しおじり本の寺子屋」の、酒井潤一氏による講演会と、ワークショップについて報告しています。

講演会とワークショップ

「野尻湖ナウマンゾウ博物館」の館長であり、信州大学の名誉教授でもある、酒井潤一先生たちによる講演会と、ワークショップを開催します。

講演会:ナウマンゾウと狩人はいつ、どこへ?

日時

2014年8月2日(土曜日)午前10時から正午

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)4階・会議室401

定員

60名(先着順)

ワークショップ

内容

「化石のレプリカ作り」「鉱物観察」「泥炭層からの化石探し」の3つ

日時

2014年8月2日(土曜日)午後1時から3時

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)4階・会議室401

定員

30名(先着順)
※ワークショップに参加していただくと、3つすべてのワークショップを順番に参加していただけます。

講師

酒井潤一氏

1936年生まれ 理学博士、野尻湖発掘調査団団長(1992~1999)信州大学名誉教授。
研究分野は、第四紀層位学、古気候学を研究されている。著書に、昭和59年長野県西部地震による地盤災害と御岳山南麓の第四系(共著)、氷河時代と人類(共著)等がある。
野尻湖ナウマンゾウ博物館の館長。

当日の概要

講演会

野尻湖ナウマンゾウ博物館館長の酒井さんより、野尻湖におけるナウマンゾウ発掘と、まだ発掘されない野尻湖人の謎についてお話していただきました。
野尻湖発掘は、ナウマンゾウ臼歯の発見をきっかけとして1962年にはじまり、今年で52年となります。第1回発掘ではなかなか成果がでなかったものの、終盤に中学生がナウマンゾウの大腿骨を発見したことが発掘の継続につながりました。その後の発掘でナウマンゾウやオオツノシカの体の一部、生痕化石(足跡や糞など、動物が暮らしていたことを示す化石)、植物や昆虫の化石などが発見され、ナウマンゾウが生きていたとされる2万年前の野尻湖の姿が徐々にわかってきました。第3次発掘では人間の作ったと思われる道具が発見されたことから、ナウマンゾウを狩っていたヒトが存在したのでは?という仮説が生まれ、それを証明するためにも発掘が続いています。
発掘では小中学生が大活躍し、重要な発見をしたり、発掘での経験を生かした仕事に就いた方もいらっしゃいます。しかし、一番大事なのは、発掘作業を通じて自分の役割に責任をもったり、協力することの大切さを知ること、とのことでした。

酒井潤一さん1

ワークショップの様子

化石のレプリカ作り、鉱物観察、泥炭層から化石探しの3種類のワークショップに、約30人のお子さんが参加されました。

ワークショップ1

レプリカ作りでは、歯医者さんで歯の方を作るのに似た方法で化石の型をとります。素早く混ぜないと型が固まってしまうので、どのお子さんも真剣な表情で材料を混ぜていました。

鉱物観察では、砂を水に混ぜたなかから何度も上澄みを取り除き、鉱物だけを取り出します。苦労して取り出した鉱物を顕微鏡で観察して、「万華鏡みたい」と言っているお子さんもいました。

ワークショップ2
ワークショップ3

化石探しでは、泥の塊を割った断面に植物や虫の小さい化石がないかどうか、どのお子さんも観察に熱中していました。先生の「これは重要な化石だよ」という言葉に顔を輝かせて、さいごは見つけた化石を袋に入れて持ち帰りました。

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