告知内容

 「吉田小学校校歌」や「ふるさと讃歌」の作詞者でもある、塩尻市片丘地区出身の詩人 島崎光正。当館ではこの度、彼の作った詩を読み解きながら、その人生や功績を振り返る講演会を開催します。講師は、白馬村在住で民俗・日本思想史家の田中欣一さんです。

講演概要

 7月23日(日)、日本思想史家の田中欣一さんをお迎えして、塩尻で育った詩人・島崎光正(しまざき みつまさ)さんに関する講演会を開催しました。

 島崎さんは、幼いころに両親と離別し、生まれつき足に障害をかかえるなどの不遇を乗り越え、2000年に亡くなるまで、詩人として価値ある作品をこの世に残し続けました。

 講演会では、島崎さんの作った詩を朗読しながら、その生い立ちや人柄を読み解きました。「水の系譜」や「立秋」、「こほろぎ」に登場する何気ない風景や草花などからは、「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことをさりげなく」伝えようとする精神が底辺に感じられる、と田中氏はおっしゃいます。

 代表作である「ふうきん」とは、アコーディオンの事だそうです。生まれつき足に障がいを負った島崎さんは、部屋の中で移動する際、両手でたたみを擦りながら歩いたそうです。その音が、アコーディオンの音に似ていることから誕生した詩だそうです。生後間もなく父親を亡くし、その後母親とも離れて生活した島崎さんの、母親や育ての親である祖母すずさんに対する想いも詩からは感じ取れました。

 ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。 

 図書館では、8月27日(日)まで1階展示コーナーにて島崎光正ゆかりの品や原稿などを展示する回顧展を開催中です。また、8月27日(日)には、レザンホールにおいて「宗教的香気に包まれた詩人 島崎光正さんを偲ぶ―「語る読む・視る歌う」を通して」が開催されます。この機会に、地元の偉大な文化人について学んでみてはいかがでしょう。

日時

2017年7月23日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師紹介

田中欣一さん(日本思想史家)

 1929年生まれ
 東京大学大学院留学
 大阪外国語大学非常勤講師
 惜命会(せきめいかい・歩くことによって生き方を創造する)代表
 第24回信毎賞受賞(平成29年度)

講演写真

田中欣一さん1
田中欣一さん2
田中欣一さん3

ポスター

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