告知内容

 文藝賞、野間文芸賞、泉鏡花文学賞などの文学賞を受賞されている作家の長野まゆみさんによる講演会です。作家になってからの様々なことを振り返ります。

講演概要

 8月6日(日)、小説家の長野まゆみさんの講演会を開催しました。
 広島原爆の日に開かれた今回の「本の寺子屋」は、初めにナビゲーターの長田洋一さんの合図で一分間の黙とうをした後に始まりました。

 講演では、長野さんの著書『冥途あり』(講談社)執筆にまつわるお話を語ってくださいました。『冥途あり』は、語り手の「私」が亡き父の人生をたどる小説で、長野さんの父親が疎開中に広島で被爆した実体験がエピソードに織り込まれています。

 長野さんは、小説の参考資料には客観的な資料を求めることが多いといい、『冥途あり』でも被爆者の証言など主観的な資料は見なかったといいます。証言資料は、研究者が検証しまとめて発表したものを見たいとしていました。また、執筆の動機については、父親がのこした土地を相続するにあたり、戸籍調査があまりにも煩わしかったためにこれを少しでも面白みに変えるためだったと明かされました。

 質疑応答の時間では、喫茶店などでふと聞こえてきた他人の会話から小説のヒントを得たりすること、手書きで原稿を書いていた時代は、原稿用紙を「切り貼り」して推敲していたことなどをお話しくださいました。

 会場では長野さんの著書やグッズの販売が行われ、サイン会も開かれました。

 ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

日時

2017年8月6日(日曜日)13時30分から15時30分
 

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師紹介

長野まゆみさん(作家)

東京生まれ。1988 年『少年アリス』で文藝賞受賞。2015 年『冥途 あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞受賞。『テレヴィジョン・シテ ィ』『猫道楽』『鳩の栖』『箪笥のなか』『チマチマ記』『デカルコマ ニア』『ささみみささめ』『団地で暮らそう!』などがある。近著は 『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』など。

講演写真

長野まゆみさん1
長野まゆみさん2

ポスター

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