11月28日(日)はやみねかおるさん講演会「トリックで毎日を楽しく」(報告)

日時:11月28日(日)14:00~16:00
場所:塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階多目的ホール

11月28日(日)、『都会のトム&ソーヤ』や『怪盗クイーン』など数多くの人気作品を手掛けるはやみねかおるさんの講演会を開催しました。
講演会は小学生から大学生を対象としたものでしたが、予想以上に多くの方々にご参加いただくことができました。また、参加された皆さんはやみねさんのお話を真剣に聞き、中にはメモを取っている子も見受けられて、はやみねさんの人気を改めて感じました。
はやみねさんは、机の上にいろいろなトリックのある小道具を用意し、楽しい授業を受けているかのようにお話ししてくださいました。   

はやみねさんは最初に、棒が刺さり真ん中がテープで巻かれたペットボトルを出して会場に見せて回りました。ペットボトルに刺さっている棒の先端にはボルトとナットが止められており、口のサイズを見ると本来なら入ることはありません。このように、最初に謎の部分を見せることが推理小説のはじまりですと話すと、次にどうやってこの棒がペットボトルに入ったかを会場に聞きました。すると、テープで隠されているがペットボトルが切れているのではないかと発言した子がいたため、テープを外しましたが、そこに切れ目はなく、繋がったペットボトルでした。これはミスディレクションと呼ばれる手法で、誤った手掛かりを見せることで本当の真実を惑わせる方法であると説明しました。そして、真実がわからなくなったとき、名探偵が出てきて事件を解決し物語が終わる。これが推理小説の流れです、といって講演会はスタートしました。


 まず、トリックには2種類あり、一つは先ほどのペットボトルのようにできることをできないように見せること。もう一つはできないことをできるように見せること。とおっしゃり、今回はできることをできないように見せることをメインにお話をしてくださいました。


 はやみねさんは、コロナ禍で満足に学校行事ができなかった子たちに、自分の中で色々な空想をすることで勝手に思い出を作り上げて、十分楽しい思い出を作ることができます!と楽しそうにお話されました。また、うそはよくないと言うが、正しくは下手なうそはよくないということを、「上手なうそ」の話を挙げて、さらに、超能力はうそなのかという話に触れ、大半の超能力と呼ばれるものは手品で再現することができたり、最初に見せたペットボトルのような『不可視物体』は自分で作ったりすることができますと説明してくださいました。


また、今回の講演会で、みなさんにこれだけは伝えておきたいのは『知識+知識→知恵』ということでした。例えば鉄の部分から柄の折れてしまったシャベルがあったとき、シャベルの接続部分に入ってしまった木をどうやってとるか。折れたシャベルを火で燃やすと、シャベルの先部分である鉄は燃えないが、中に入っている木は燃えます。知識はあってもそれを組み合わせて知恵として使えるようにしてください。こういった生活のひとつひとつにたくさんのトリックが隠されていて、それを知ることで毎日を楽しむことができます、と語られました。


そのほかに、できないことをできるようにみせる話も少しだけします。と言い『バーベット』(バー(酒場)でベット(賭ける)する賭け事)を会場の数名を指名し実演され、参加者の皆さんとの楽しい掛け合いで盛り上がりました。実演後には、この賭け事にのってしまうと確実に負けてしまいます。なので、絶対やらないようにしてください。というはやみねさんの発言に会場から笑いがおこりました。


最後にはやみねさんは、「色々お話ししましたが、私は自分の今この瞬間が一番楽しいと言いたいと思っています。だから今講演会をしているこの時が一番楽しいし、死ぬ最後のときにも今が一番楽しいと言いたい。ぜひみなさんも毎日がいつでも楽しくなれるようにしてみてください。」と講演会を締めくくりました。

講演会を聞いた子どもたちからはたくさんの質問が出され、はやみねさんはひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださいました。また、講演会後に行ったサイン会でも一人ずつに「何か聞きたいことはありますか?」と聞き、質疑応答で質問ができなかった子どもたちもはやみねさんへの質問や熱い思いなどを伝えられていました。
はやみねさん、講演会に参加していただいたみなさま、ありがとうございました!

はやみねかおるさん1
はやみねかおるさん2