「信州しおじり本の寺子屋」の三島利徳さんによる講演会の報告をしています。

講演会「本の魅力-書評の功罪-」

新聞に掲載される、本の紹介や評価を書いた記事、「書評」。書評は、本の売り上げなど、読者や出版社に対して大きな影響力を持っています。
今回の「本の寺子屋」では、これまで多くの書評を担当された、元信濃毎日新聞社論説委員の三島利徳さんをお呼びして、書評のもつ力や魅力に迫ります。

日時

2016年9月25日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

三島利徳さん

1947年下伊那郡豊丘村生まれ。村内小中学校、飯田高校を経て1970年静岡大学人文学部卒、同年信濃毎日新聞社入社。本社報道部、更埴支局、佐久支社・臼田支局勤務を経て1984年から文化部(デスク、部長)。文化部では書評などを担当し、2001年からは論説委員を務めて社説、斜面を執筆した。2012年退社。現在、長野県カルチャーセンターの「文章を書く」講座講師(通信制あり)。清泉女学院短期大学および長野赤十字看護専門学校の非常勤講師。2016年4月、「破天荒作家 山田多賀市(やまだたかいち)と農民文学」で第59回農民文学賞(評論の部)を受賞。
※山田多賀市(1907~1990年)安曇野市に生まれ山梨県で活躍した農民文学作家。作品に『耕土』『雑草』『農民』など。

講演概要

三島利徳さん1

三島さんは、新聞書評の功罪の「功」は本の売り上げが伸びることであり、「罪」は新聞社側が評価すべき本を見落とすことであるとしています。インターネットの登場により日本の新聞総発行部数は1997年をピークに減少し、ブログ書評の台頭にともなって新聞書評の力が弱まっている現状に触れ、このような中での新聞書評の意義は、書評委員が本を選ぶことによって記事の信頼性の高さを担保することや、すぐれた本ならば専門書でも紹介することなどであると述べられました。

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