9月13日(日)昨年映画化された「火喰鳥を、喰う」の著者で伊那市出身の作家・原浩さんをお招きし、講演会を開催しました。

講演概要

 原さんは実は幼少期怖がりでホラーも苦手、弟さんにトイレについてきてもらうほどだったそうです。学生時代は物語に夢中な日々を過ごし、小中学生や高校生時代に読んでいた小説や作家さんについての思い出を語っていただきました。
大学生時代は小説ではなく、映像の分野で物語を作りたいと思いシナリオスクールに通っていたそうです。
その後はSEの職に就き、何度か転職をはさみ今では小説家と会社員の二足の草鞋を履く兼業作家をされています。

 40歳頃ショートショートの賞「星新一賞」に応募。最終選考に残り手ごたえを感じ、その後『火喰鳥』で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞。『火喰鳥を、喰う』に改題され刊行、デビュー作が2025年に映画化されました。
信州の各所で行われた映画の撮影現場に見学へ行った際の主演の水上恒司さんの人柄に魅了されたエピソードや、作家として活動するなかで会社員とまた違うスタイルでの執筆活動について、出版業界のこぼれ話、著名な作家さんとお会いした際の印象などたくさんのことをお話しいただきました。

 最後はいよいよ「物語の種」の育て方へ。物語はゼロからは生まれない、何かしらの種を見つけて育てていくことが大切。
例えば創作物にふれる、異なる属性の人との交流、新しい物事・時事ネタ・日常といったものが物語の種になる。
種を育てるために流行りの要素を組み入れたり、自分の得意・趣味・好きを取り入れる、遠いジャンルを掛け合わせるなどして物語として深みをもたせている。

 『火喰い鳥を、喰う』は信州を舞台として書いた作品で、今までに書いた作品にもそれぞれ地元信州の要素を取り入れた。伊那の風景や諏訪湖の御神渡りなど知っている人には「あ!」となる要素が入っている。
「物語の種を探す」ということは「新しいことへ一歩踏み出すこと」、「物語の種を探す」ことが人生を豊かにしてくれるかもしれません。と講演会を締めくくられました。

——————————————————————–

 その後の質疑応答ではたくさんの質問が飛びかい、1つ1つに丁寧にお答えいただきました。

日時

2026年9月13日(日) 14:00~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール

講師

原 浩(はら こう)さん

 1974年長野県伊那市生まれ。東洋大学卒業。システムエンジニアを経て3DCGデザイナーに転身し、家庭用ゲームソフトや遊技機の映像制作、企画開発に携わる。会社勤務の傍ら執筆活動を始め、『火喰鳥』で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞。

受賞作は『火喰鳥を、喰う』と改題して刊行され、映画化された。地方に残る伝承や因習、人の心に潜む恐怖を題材に、怪異とミステリが交錯する作品を発表。著書に『やまのめの六人』『蜘蛛の牢より落つるもの』『身から出た闇』などがある。

91393a08fadf054634933b30fa0b6036