「信州しおじり本の寺子屋」の窪島誠一郎さんによる講演会の報告をしています。

講演会「〈書物浴〉のススメ~本のそばにいる幸せ~」

上田市にある美術館「無言館」館主の窪島誠一郎さんの講演会を開催します。

日時

2016年8月21日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

窪島誠一郎さん

一九四一年東京生まれ。印刷工、酒場経営などを経て、六四年東京世田谷に小劇場の草分け「キッド・アイラック・アート・ホール」を設立、また七九年長野県上田市に夭折画家のデッサンを展示する私設美術館「信濃デッサン館」、九七年に戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立した。執筆活動では実父水上勉との再会を綴った『父への手紙』(筑摩書房)がNHKテレビドラマ化。ほかに『信濃デッサン館日記・1・2・3・4』(平凡社)、『漂泊・日系画家野田英夫の生涯』(新潮社)、『石榴と銃』『鬼火の里』(集英社)、『無言館ものがたり』『無言館の青春』(講談社)、絵本『約束』『いのち』(アリス館)、『「無言館」への旅』『高間筆子幻景』『絵をみるヒント』近刊に『父 水上勉』『母ふたり』(白水社)など多数の著書がある。

講演概要

上田市の「信濃デッサン館」と「無言館」の館主である窪島誠一郎さんをお招きし、講演会を開催しました。
36才で「信濃デッサン館」を設立した際、「お金がないので、ゴキブリホイホイのような建物を造ってほしい」と設計士さんにお願いしたことや、「無言館」を設立する際は、3年8カ月をかけて寄付を集めた、など、ご苦労されたお話しをユーモアを交えてお話しいただきました。
また、幼少期のご苦労話や、生みの親である直木賞作家の水上勉氏との再会から本を書くに至るまでの経緯等も、想像力をかきたてるようなお話しで、楽しく拝聴しました。
文学に対する憧れを語る中で、「本は読むものだが、本が放つ光がある」とおっしゃいます。

「本の光を浴びよ ここに本がある それだけでいい 今日一日、書物浴の日にしてみないか」

というご自身の詩が、無言館の第2展示館であるオリーブの読書館に掲げられているそうです。

今回の、タイトルにもある「書物浴」。ご自身の本の制作のご苦労とともに、一冊の本に込められているのは、作家の思いだけでなく、本を作っている編集者や出版社、売る書店など様々な人の思いが込められている。本を読むことは自分をゼロに戻すチャンスだから、ぜひ本やそれを扱う図書館を利用してほしい、と語ってくださいました。
窪島先生、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

窪島誠一郎さん1
窪島誠一郎さん2
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