「信州しおじり本の寺子屋」の川鍋雅則さんによる講演会の報告をしています。

講演会かがく絵本ができるまで」

福音館書店発行の「かがくのとも」編集長である、川鍋雅則さんの講演会を開催しました。

日時

2016年9月11日(日曜日)13時30分から15時00分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

川鍋雅則さん

1964年埼玉県生まれ。月刊絵本「かがくのとも」編集長。昆虫、植物、遊び、乗り物などノンフィクションの多岐にわたるテーマを取上げ、山へ昆虫の観察に行った翌日には、海へカーフェリーの取材に行くなどいつでもどこへでもフットワーク軽く出かけていく日々を送っている。

講演概要

9月11日(日曜日)、福音館書店かがくのとも編集長の川鍋雅則さんの講演会を行いました。月刊誌『かがくのとも』は、1969年発売。世界で初の月刊のかがくの読み物絵本で、現在では世界26の言語で翻訳されています。
川鍋さんは、「科学」は、[観察]→[仮説]→[実験]→[考察]という思考の流れであり、[観察]の前には[興味]があり、その前には[感動]があるとおっしゃいます。子どもは、面白いと思えないものには全く興味を示さないので、子どもが面白いと思えるもの、身近だけど知らなかったものを意識して、本づくりをされているそうです。
かがく絵本は、ノンフィクションだが、そこで伝えたいことは「想像力の大切さ」。なんだろう?と不思議に思うこと、感動すること、ちょっとしたことを楽しむことから、科学的な視点がうまれ、想像力がうまれる。『かがくのとも』は、実際に現場での取材をもとに本を作られるそうですが、想定外のことが起こるたびに、取材の大切さを感じるとおっしゃっていました。
また、物語として展開することで感じる面白さ、本の中で体感することを常に意識されているとのこと。写真ではなく、あえて絵で描くことは、立体差を表現できたり、何を見せたいかを強調できる、とおっしゃいます。
制作過程や込められた意味を読み解くことで、改めて、かがく絵本のおもしろさに気付かされ、それを子どもたちに伝えていく、共有していくことの大切さ思い知らされました。

川鍋雅則さん1
川鍋雅則さん2
20160911kawanabe