「信州しおじり本の寺子屋」の柏原成光さんによる講演会の報告をしています。

講演会「古田晁さんの三つの不思議」

塩尻市北小野地区出身で筑摩書房創業者の古田晁氏の生誕110周年の今年、古田晁記念館文学サロンは20回目を迎えます。今回の文学サロンでは柏原成光さんをお迎えし、「元社長」という視点から筑摩書房や古田晁という人物についてお話しいただきます。

日時

2016年10月16日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

柏原成光さん

1939年東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒。1964年筑摩書房編集部入社。1997年同社代表取締役就任。1999年退社。同年風濤社相談役就任。2004年から2011年まで、中国三省の大学で日本語教師として七年間教鞭を執る。著書に『黒衣の面目――編集の現場から』『本とわたしと筑摩書房』『中国暮らしやってみました』。

講演概要

柏原成光さん

柏原さんは、古田晁氏の不思議として、「なぜ出版社だったのか」「なぜ英語・アメリカのことを話さなかったのか」「なぜ世襲制をとらなかったのか」の三つを挙げ、交流のあった文化人や家族らの回想をもとに、古田晁という人物をひもときました。

読書家ではなかった古田氏が出版業を選んだ理由については、出版を通じて自分の好きな人と交流しつつ、文化の発展に寄与したかったのではないかと推察。柏原さん自身は、社長時代の古田氏を一年間しか知らないといいますが、その人となりについて、言葉少なだが語りかけてくるような存在感があり、いてくれることが励ましだったと振り返りました。

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