「信州しおじり本の寺子屋」の村上しいこさんによる講演会の報告をしています。

講演会「言葉のリズムに想いをのせて」

絵本から中高生向け小説まで幅広い分野の作品を執筆されている、作家の村上しいこさんをお招きして講演会を開催します。執筆活動の舞台裏や、作品に込めた想いなどお話しいただきます。

日時

2016年10月23日(日曜日)13時30分から15時30分

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

村上しいこさん

1969年三重県津市生まれ。松阪市在住。中学卒業後、昼間は会社勤め、夜には飲食店でバイトをする。その後、仲居の仕事を数年して結婚後、創作活動をはじめる。『かめきちのおまかせ自由研究』(岩崎書店)で第37回日本児童文学者協会新人賞、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)で第17回ひろすけ童話賞を受賞、『うたうとは小さないのちひろいあげ』(講談社)で第53回野間児童文芸賞を受賞するなど、これまで多くの賞を受賞している。主な作品は、『だいすきひゃっかい』「かめきち」シリーズ(共に岩崎書店)、『ねこ探!』(ポプラ社)、『れいぞうこのなつやすみ』(PHP研究所)など。新著に、『空はいまぼくらふたりを中心に』『理科室の日曜日~ハチャメチャ運動会~』(共に講談社)、『アカンやん、ヤカンまん』(BL出版)など。

講演概要

村上しいこさん1
村上しいこさん2

小柄でかわいらしい雰囲気の村上しいこさん。2003年にデビューしてから今年は14年目になるそうです。今まで発売した本は75冊。「ちょっとだけ“売れっ子”の作家です」とご自身を紹介し、三重県出身で、関西人は「三度落ち」という厳しいおきてがあるそうで、「公演中に3回言うのか、2回しか言わんかったらつっこまなあかんよ~」という楽しい自己紹介からのスタートとなりました。

前半は、ご自身の壮絶な生い立ちから、絵本作家になるまでの経緯をお話しくださいました。年少期に出会った図書室とお話の世界に救われ、「もうちょっと前に行けるんじゃないか」という希望や、「自分が自分でいられる場所」と感じられる逃げ場所があったからこそ、今の自分があるとおっしゃいます。そんな経験があったから、作品には、子どもたちに笑ってほしい、幸せになるために生まれてきたんだよ、というメッセージを込めているそうです。

初めて挑戦したという短歌を題材にした中高生向けの小説『うたうとはちいさな声いのちひろいあげ』と『空はいまぼくらふたりを中心に』の続編が来年発売されるということ。短歌フォーラムが毎年開催される塩尻に、また来て頂きたいですね。

「トータル100冊いったら、“ちょっと”を抜いて、“売れっ子”作家と言おうと思う」と最後にお話しくださいました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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