3月8日(日)に文芸評論家の三宅香帆さんをお招きして講演会を開催しました。
本講演会は市内、市外の方含めて300人以上の申し込みをいただき、抽選を行いました。
著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の内容にふれながら、さらに話を発展させ言語化する技術についてお話しいただきました。
講演概要
まず、読書の歴史について著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の内容を振り返りながら、お話しが進んでいきました。
近年はネット検索やAIなどでノイズが取り除かれた“情報”だけを手に入れやすくなった。知識は情報(自分の知りたいこと)+知りたいことの背景文脈や周辺知識(ノイズ)からできている、本は背景文脈などのノイズが多いのであまり読まれなくなっている。
では、ノイズは不要なのか?
ノイズはアイディアの元やその人を形づくる魅力になる。他者への想像力というのもノイズからやってくるのではないか。本という自分と違う他人が書いたものを読むことで自分の中にない文脈やアイディアを持ってきてくれる。
ノイズを取り入れるために、興味の範囲とそれ以外を言語化することが大切だと述べられました。
次に言語化についてのお話しに。
三宅さんは、“自分のなかの言語化”と“他人に対する言語化”は異なるものだとし、最初に自分のなかを言語化して、どう他人に伝えたら良いのか考えていくのが良いのではないかと話されました。
まず、自分のなかの言語化のためにはクリシェ(それっぽい文章)を使わず、オリジナルの言語化をすることと、言語化のためのステップ①具体例をあげる ②なぜ気になるのかを考える ③実際に書き出してみる を紹介されました。具体例をあげる際には、どこを自分が気になっているのか細分化することが重要。
ステップ②、考える際にポジティブな感情もネガティブな感情も、大きく2つに分けられる。自分と同じ(共感)、自分と違う(驚き)。自分と同じだから好き、違うから好きなのか考える。そういったなかで自己理解にもつながる。
自分が言語化しないと自分のことは伝えられない。自分のなかの好きなことを言語化して大切にしてほしい。皆さんにも生活の中での未知なるもの、偶然の出会いを大切にこれからも本を読んでいってほしい。
自分のノイズを大切にして本を読もう!と講演会を締めくくられました。
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今回の質疑応答では参加者からたくさんの質問があがり、質問に耳をかたむけ的確に丁寧に回答してくださった三宅香帆さん。
三宅さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。


日時
2026年3月8日(日) 14:00~15:30
場所
塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール
講師
三宅 香帆(みやけ かほ) さん
文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。
1994年高知県生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士後期課程中退。リクルート社を経て独立。
主に文芸評論、社会批評などの分野で幅広く活動。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』等多数。
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