7月22日(月)島田英昭さん「わかりやすい説明とは~認知心理学から考える~」(報告)
告知内容
図書館の使い方や本の場所、休館日などの説明が「わかりにくい」と言われたことはありませんか?
本講座では、説明をわかりやすくする方策を認知心理学の視点から考えます。図書館職員向けの講座ですが、どなたでも参加できます。
講座概要
講座の前半では人間が情報を認知するときの特性をふまえ、説明をわかりやすくする3つのポイントをお聞きしました。
ポイント1
説明をうける時、脳が一度に記憶できる事項は4つくらいまで。提示する情報は4つ以下のまとまりに整理し、まとまりごとに見出しをつけるなどするとわかりやすくなる。
ポイント2
私たちは自分の持っている知識を使いながら話を理解しており、既に知っていることを説明されるとストレスを感じる。説明の受け手が知っていることに配慮するとよい。
ポイント3
脳は、近くにあるものは無意識にまとめて認知している。関係ある情報同士は近づけることでわかりやすくなる。
後半はグループワークを行い、塩尻市立図書館が作成した利用者向け案内などもとに、説明をよりわかりやすくする方策を考えました。
最後に島田さんは、学びや知る楽しみを得るという観点では、わかりやすさは必ずしも必要ではないこともあると話されていました。
今回の講座は信州大学出前講座の協力で開催し、一般の方と図書館関係者を合わせて約90人の受講がありました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
日時
2019年7月22日(月曜日)14:00~15:30
場所
塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階多目的ホール
講師
島田英昭(しまだひであき)さん
1976年長野県上田市生まれ。1999年筑波大学第一学群自然学類数学専攻を卒業後、専攻を心理学に変え、2004年筑波大学大学院心理学研究科修了、博士(心理学)。産業技術総合研究所特別研究員、日本学術振興会特別研究員を経て、2007年信州大学教育学部助教、2009年同准教授、2019年より同教授。学校教員養成、公認心理師養成に携わる。専門は認知心理学、教育心理学、教育工学。説明、学習、共感を主な対象として研究を行っている。日本心理学会、日本教育心理学会、日本教育工学会、日本認知科学会などに所属。https://shimadahideaki.jp/