11月10日(日)錦見映理子さん・東直子さん「対談・小説と短歌」(古田晁記念館文学サロン)(報告)

講演概要

歌人で小説家の錦見映里子さんと東直子さんによる対談形式での講演会を開催しました。
錦見さんは、筑摩書房が共催する昨年度の太宰治賞を受賞され、その縁で今回の対談が実現しました。20年来の付き合いになるというお二人からは、仲が良く尊敬しあう間柄ということが伝わってきました。対談は終始笑顔で、和やかな雰囲気の中進みました。

普段から歌人仲間と歌会を多く開いているというお二人。この日もお二人がご自分の短歌や小説を朗読してくださいました!

錦見さんが詠まれた短歌に長野県の地名が登場する歌があります。

「小県郡、とあなたがつぶやいて空(くう)に字を書く暗室のなか」

旅行で長野県を訪れた時に、テレビから流れてきた「ちいさがたぐん」という響きがとても気に入ったそう。
小さいのかしら、と思ったり雨や水のイメージも沸いたり。語感や音感から、地元民は持ち得ない新鮮な発想があることを知りました。

また東さんの長編小説『さようなら窓』に触れ、錦見さんから「小説の中に自分の要素を入れるか?」と尋ねられた東さん。
「たぶん、隣に優しい人が居て、話しをしてくれたらいいなぁという願望が入っています。」と、会場の笑いを誘っていました。

最後に「生きていく上で何かの折にふと思い出せるのが短歌。自分の中でいくつかのフレーズを持っていると、落ち込んだ時に歌と自分の悲しみとを混ぜて立ち直れる。それを共感してもらえると嬉しい。」と短歌の魅力を語ってくれたお二人。

短歌と小説の違いは、省略するか細部を埋めるか、余白があるか余白を埋めるか、の違い。5W1Hの何かが欠落しており、外した所に読者が想像する楽しみを残すのが短歌。「欠けているものがあるからインパクトが強い。」との説明に、会場中がほ~っと納得した空気に包まれました。

対談後にはお二人の著者の販売とサイン会も開催しました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

日時

2019年11月10日(日曜日)14:00~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階・多目的ホール

講師

錦見映理子さん、東直子さん

チラシ

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