告知内容
1977年『僕って何』で芥川賞を受賞、その後も『いちご同盟』などの青春小説や歴史小説など、幅広いジャンルの書著を執筆される作家の三田誠広さんの講演会です。
~三田誠広さんからのメッセージ~
中学から高校にかけて出会った本を紹介しながら自分でも小説を書こうと考えるようになった経緯や近況などをお話しします。
講演概要
子ども時代は「本しかなかった」という三田さん。家にあった世界文学全集などを読み漁り、中1で『罪と罰』『赤と黒』を読破。中3の時にツルゲーネフの『初恋』に出合い、「彼女にとって自分とは何か」と恋に苦しむ主人公を通して三田さん自身も自我に目覚めたといいます。
自己を見つめることの面白さを読書を通して知り、自分でも書いてみたくなったというのが作家を志したきっかけとのこと。
その後執筆した『僕って何』で芥川賞を受賞。小説は「自分とは何か」を問い告白するもので、若者が右往左往する姿を描くのが出発点だと話されました。
最後に、参加者から読書に費やした時間のとらえ方について質問されると「本を読むということは、自分の世界が広がるということ。そのことを素直に喜べばよい。有意義な時間にしなければならないということではない、本の中にある知識や世界観を一人で楽しめばよい。」と語ってくださいました。
会場では三田さんの著書の販売とサイン会も行いました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
日時
2019年5月19日(日曜日)14:00~16:00
場所
塩尻市市民交流センター(えんぱーく)3階多目的ホール
講師
三田誠広(みたまさひろ)さん
1948年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒。高校在学中に『Mの世界』が「文藝」に掲載されてデビュー。77年、『僕って何』で芥川賞。早稲田大学客員教授、武蔵野大学教授を経て、現在は武蔵野大学名誉教授。日本文藝家協会副理事長、SARTRAS副理事長。主な作品に、青春小説『いちご同盟』、歴史小説『空海』『道鏡』『西行』『聖徳太子』『親鸞』、児童文学『青い目の王子』、翻訳『星の王子さま』、評論『実存と構造』『数式のない宇宙論』『源氏物語を反体制文学として読んでみる』など著書多数。