2月16日(日)Bird Artworks 薮内正幸原画展ギャラリトーク(報告)
講座概要
薮内正幸美術館館長の藪内竜太さんをお迎えし、図書館本館で開催中の原画展に合わせたギャラリートークを開催しました。動物画家の第一人者として活躍した父・薮内正幸さんの仕事と生涯を振り返る内容で、約70人の方にご参加いただきました。
大阪に生まれた正幸さんは、子ども時代から動物への興味と観察力が尋常なものではなく、祖父の知人が園長を務める天王寺動物園によく出かけていました。「今日はライオン」と決めると閉園時間までライオンだけを見続け、家の中をライオンになりきって四つ足で歩いていたそうです。
正幸さんは、愛読していた図鑑の著者で動物学者の高島春雄さんと小学生のころから文通をしていて、高橋さんの紹介で国立科学博物館にいた今泉吉典さんを知ります。
高校を卒業するころ、今泉さんに「福音館書店から世界一の動物図鑑を出すので、社員になって挿絵を描いたらどうか」と勧められ上京することに。
編集者の松居直さんの自宅に下宿しながら今泉さんのもとで動物を骨格から猛勉強。このころが「人生で一番楽しかった」とのちに竜太さんに語ったそうです。
竜太さんは、薮内さんにとって子ども時代に真摯に対応してくれる大人に出合ったことが大きかったといいます。
「絵の天才ではなくて、天才的に動物が好きだったから絵が描けた。即戦力ばかりが求められる時代だけど、好きなことくらいは時間をかけてみて。大人は子どもの好きなことを応援してほしい」と呼びかけていました。
会場では、薮内正幸さんの著書やグッズなどの販売も行いました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
日時
2020年2月16日(日曜日)13:30~15:30
場所
塩尻市市民交流センター(えんぱーく)多目的ホール
講師
藪内竜太(やぶうちりゅうた)さん
1969年東京生まれ。父は動物画家である薮内正幸(1940~2000)、母は福音館書店の編集者(児童書担当)を経て、フリーライターでありタイ料理研究家でもあった戸田杏子(本名:薮内幸枝、1941~2006)。大学卒業後はJRの外郭団体に勤務するものの2000年の正幸死去に伴い退社、以後遺された1万点以上もの原画の管理を専属で行う。