3/20(日)に児童文学作家・富安陽子さんの講演会を開催しました。

講演概要

富安陽子さんは、大学在学中から子供の本を書き続け、これまでに130冊近くの本を世に出してきたそうです。

『子どもの本と大人の本は何が違うと思いますか。』講師である大学の学生にも、この質問を必ずされるそうです。読者である子どもが成長することが大人の本との一番の違いであり、それぞれの年代にあった言葉や漢字を使い、文章の長さや構成などをかえてそれぞれに届く本を作ることを大切にしているということでした。

幼少期の家族との微笑ましいエピソードをたくさん聞かせて頂き、『家族みんなが"ほら吹き”だった。祖母の言葉に“うそ”と“ほら”は違う。うそは自分のため、ほらは他人を楽しませるためにつくもの。物語を作ることは、ほらを吹くことと似ているのかもしれない。』と語られました。
エッセイ集の中からお父様との思い出『ランドセル』や、3冊の絵本を朗読くださり、中でもお父様を亡くされてほどなくしてみた夢から生まれたという『さくらの谷』、まるで今の時代を生きる子どもたちに向けて書かれたような『ふしぎな月』に、会場が笑いと涙で包まれました。

最後に設けた質問コーナーでは様々な質問が投げかけられ、丁寧にお答えいただきました。昨今の世界情勢の質問に対して、『無力感に苛まれるのではなく、何か出来ることから少しずつ。思考停止に陥らないことが大切』と語られたのが、印象的でした。

日時

2022年3月20日(日) 14:00~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール

講師

富安 陽子(とみやす ようこ)さん

1959年、東京都生まれ。『クヌギ林のザワザワ荘』で日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞、「小さなスズナ姫」シリーズで新美南吉児童文学賞、『空へつづく神話』で産経児童出版文化賞、『盆まねき』で野間児童文芸賞と産経児童出版文化賞フジテレビ賞、『さくらの谷』で講談社絵本賞を受賞。『やまんば山のモッコたち』はIBBYオナーリスト2002に選ばれた。そのほかに「シノダ!」シリーズ、「妖怪一家九十九さん」シリーズ、「ホオズキくんのオバケ事件簿」シリーズ、『キツネ山の夏休み』『天と地の方程式』『絵物語 古事記』などの作品がある。

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