2023年8月8日(火)に、高森町立高森北小学校の学校司書で、高森町子ども読書支援センターの司書を兼務する宮澤優子さんの講演会を開催しました。
 宮澤さんは学校図書館の役割である「読書センター」、「学習センター」、「情報センター」の3つの機能に立った時に、図書館または学校司書として何ができるのか、何をするべきなのかを解説してくださいました。また、GIGAスクールが始まり「デジタル」が入ってきた教育現場で、新しい学校図書館像がどうあるべきか、3つの機能ごとにご自身の実践を踏まえながら紹介してくださいました。  

講演要旨

 アナログ時代でもデジタル時代でも共通するのは子どもと必要なものを「つなぐ」こと。今までは紙の資料を使って本や情報につないでいたが、今はさらに、紙や物体のないツールを使う、あるいはツールそのものとつなぐことができるようになった。これは紙だけで行なっていたものを紙の資料とデジタルの資料を併用することができ、これからの時代を生きる子ども達にとって必要なスキルを身に着けることにつながる。というお話を宮澤さんは分かりやすい形で伝えてくださいました。

 また、宮澤さんが学校司書として高森町で行っている取組みは、「読書センター」としてでも「学習センター」としてでも、子どもが自発的に「それをしたい」と思えるように働きかけている点で共通しています。

 読書でも調べ学習でも、学校現場では、いわば強制的にそれをさせる時間が設けられます。読まないといけないから読む本を探す。調べないといけないから調べる。でもそれでは生きる力が身につかない。「読書が楽しい!」「疑問を知ることは楽しい!」、そういう体験を増やさないと意味がないと宮澤さんは言います。

 自分から本を「読みたい」、何かを「知りたい」「調べたい」という内発的な動機付けを育むのは誰の役割なのか、そしてどんな手立てをうてばいいのか、そこに注目して実践することが大事なことであり、学校図書館として求められることだと教えてくださいました。

 そして子どもが自ら「これがしたい」という時に、それができる環境を用意しておくのも学校図書館、学校司書の役目であり、今はアナログにもデジタルにもとらわれないコンテンツの提供が必要だというお話でした。

日時

2023年8月8日(火) 14:00~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール

講師

宮澤優子さん

キャリアスタートは公共図書館。出産育児を経て学校図書館司書として復帰。現在は高森町立高森北小学校と、稼働4年目になる高森町子ども読書支援センターの司書を兼務。町内の図書館的資源「物」「人」「場」を公共図書館と学校図書館が最大限利用し協働することで、町内の子どもたちの読書を継続的包括的に支援する取り組みを進めている。教育著作権フォーラム初中等ワーキンググループメンバー。日本デジタル・シティズンシップ教育研究会専門委員。Google認定教育者Lev1,2取得。GEG Minami Shinshu共同リーダー。

ポスター

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