2023年8月28日(月)に、京都橘大学文学部教授の嶋田学さんの講演会を開催しました。

講演概要

タイトルの「振り返る」というのは粗探しのための振り返りではなく、自戒を込めての振り返りと講演会の冒頭で述べられました。

図書館は時間軸で言うと時代の後をついて行ってしまうが、半歩先を行くくらいが良いのではないか。

図書館は手漕ぎボートの様に自分の通った道を見ていくようなもの。

1970年代から公共図書館は貸出を重視した市民の図書館の路線で運営されていたが時代は移り変わり多様なニーズへの対応が遅れてしまった。

同じ行政職員から見ると図書館が行政内、社会一般にもアピールが足りていない。

その原因は今の自らのサービスについて外からの評価でなく中からの評価で満足してしまっている、今十分利用されているからと新しい市民層の利用を開拓しようという意識が弱いなど公募館長として業界外から図書館経営に挑戦された方々の言葉を紹介されました。

途中ペアワークで自分の所属している図書館・地域の図書館は「二極分化する図書館」ではどの項目があてはまるか話し合いをしました。

二極分化する公共図書館は以下の4つです。

①直営、正規・専門職館長、正規職員司書を中心とする経営で地域において存在感を持つ図書館

②直営ながら、司書は会計年度任用職員が中心で専門的業務を担い、正規職員は非専門職で管理部門のみを担当。新たなニーズに応えるサービス開発等、政策形成力がない。

③指定管理者による運営。自治体からの潤沢な指定管理料により、開館日・時間の充実や各種イベント企画は行われているが、住民協働による計画づくりや運営企画や参画はあまり行われず、行政連携においてはほぼ取り組まれていない。

④指定管理者による運営。行政の委託目的が経費削減にあり、サービスは基本的な貸出、レファレンスサービスに留まる。

参加された方でお二人発言されましたが、一人は直営と指定管理者に溝があると感じるため同じ施設で働いている職員として協力していきたいとおっしゃっていました。

もう一人の方は県外から参加された方で人口が17万人程の都市だが図書館が1つしかなく、②に当てはまるとおっしゃっていました。

図書館職員は図書館内で業務や評価を完結させるだけでなく市民、行政との関わりを積極的に行っていくことが必要だと改めて感じる講演会でした。

嶋田さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

日時

2023年8月28日(月) 10:00~12:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール

講師

嶋田学さん

大阪府出身、1963年生まれ。1987年から豊中市立図書館勤務。1998年に滋賀県旧永源寺町図書館準備室に転籍。2006年市町村合併後、東近江市立八日市図書館、能登川図書館、永源寺図書館などで勤務。2011年4月、岡山県瀬戸内市へ新図書館開設準備室長として着任。2016年6月から館長。2019年4月、奈良大学文学部教授を経て2021年4月より京都橘大学文学部教授(司書課程)。筑波大学人間総合科学学術院博士後期課程所属。日本図書館協会、日本図書館研究会、日本図書館情報学会、デジタルアーカイブ学会会員。

ポスター

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