5月15日(日)、ノンフィクション作家の佐野眞一さんの講演会を開催しました。

講演概要

 佐野さんは「人間は表面だけではわからない。2つも3つも顔がある。それをちゃんと理解したうえで相手を見ることが大事だ」と投げかけました。
一般的に「こういう人」と思われていてもその人が裏ではどんな顔を持っているのかしっかりと見極める必要性があることを、政治家をはじめ経済人、著名人などのお話を例に伝えてくださいました。

 また、新型コロナのマスメディアの取り上げ方から、「「通説」には何が本当なのかを、まゆつばつけて聞かないと誤った判断をしてしまう。」と私たちが得る情報の不確かさを教えてくれました。ウクライナ問題でも「私たちは、「日本は西側だ」と疑いもなく思ってしまうが、自分で考えてちゃんと答えを出さないといけない。」ということをおっしゃいました。
深々と考える、考え抜く。私たちがメディアから得ているもの、流れてくる情報の何が正しくて、何が間違いなのか、真実が何なのかを深く深く考えること。

 質問者からの「私たちが情報の正しさを判断するにはどうすればよいか?」という問いに対し、佐野さんは「本を読むこと。駄作でも何でも、たくさん読むこと。本を読むと何か少しでも「これは!」ということが出てくる。だから片っ端から読む。」という答えをくださいました。

 さまざまな人物や事柄を徹底的に取材し、真実を追求しようとする佐野さんの言葉にはとても説得力がありました。
「あまりにも我々が知らないことが多すぎる。今まで取材してきて、書くことが出来ない真実がある。」。
そう言って講演会を締めくくりました。

日時

2022年5月15日(日) 14:00~16:00

場所

塩尻市市民交流センター(えんぱーく) 多目的ホール

講師

佐野 眞一(さの しんいち)さん

1947年、東京生まれ。97年『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。09年『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞。著書に『巨怪伝ー正力松太郎と影武者たちの一世紀』『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』『あんぽん 孫正義伝』など多数。

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