7月24日(日)、歌手であり俳優の小泉今日子さんの講演会をレザンホールにて開催しました。
本講演は昨年度迎えた本の寺子屋10周年を記念した講演会で、昨年はコロナウイルスの感染拡大にやむなく中止となりました。ですが、今年度は無事に開催日を迎え、多くの市民の方に参加していただくことができました。
小泉今日子さんが登壇すると会場は大きな拍手に包まれ、昔と変わらず可愛らしい笑顔を見せながら、自分と本との関わりについてお話してくださいました。

講演概要

 舞台やコンサートなどでステージに立つことはあっても、今回のように講師として呼ばれたのは初めてだったそうです。「私の雑談を聞く気分で、みなさんと楽しい時間を過ごせれば」と笑いながらお話しを始めました。

 1966年(昭和41年)に3姉妹の末っ子として生まれた小泉さん。本が好きな家族に囲まれて育ちますが、幼い頃は本よりもテレビに夢中だったそうです。読書を好きになるきっかけになったのは、仕事を始めた16歳の時。待ち時間を埋めるために行っていた読書でしたが、撮影の前に寄った本屋さんで自分が好きだったドラマのシナリオ本を見つけたことをきっかけに、それまでは読みやすく楽しい本を読んでいたのが、色々な角度から本を楽しむようになり、自分の思っていた世界が本を読むことで広げていくことができたとおっしゃっていました。

 小泉さんは、自身が読書好きであることが世間に認知されていく中で起きたエピソードも紹介してくださいました。

 その他にも、演出家の久世光彦さんに自分が書いた文章を褒められ思わず泣いてしまったことや、プロデューサーに言いくるめられて歌詞を書き、そこから自分で歌詞を書くようになったこと。雑誌の連載でエッセイを書き始めたこと、読売新聞の書評を9年間担当したことなど、当時自分の周りには良い大人たちがいて繋げてくれた思い出を語ってくださいました。現在はインターネットで本に関わる人たちの魅力を紹介する番組を行っており、作家以外にも個性的な書店や翻訳家、映画監督など。他にもたくさんの方の話をしてくださいました。また、講演会直前に文書で募集した質問にも一つ一つ丁寧に答えていただきました。

最後に自身の著書の朗読を行い、講演会を締めくくりました。

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小泉今日子さんの優しい語り口とたくさんのエピソードを聞くことができ、新たな一面を知ることができた貴重な講演会になりました。
歌手として、俳優として、そして作家としての小泉さんの活躍を今後も応援していきたいと思います。
小泉さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。


日時

2022年7月24日(日) 14:00~16:00

場所

レザンホール 大ホール

講師

小泉 今日子(こいずみ きょうこ)さん

1966年、神奈川県生まれ。 1982 年歌手としてデビュー。同時にテレビドラマ、映画などで女優活動も開始。書評やエッセイなど文筆家としても活動中。 2015 年自らが立ち上げた「株式会社明後日」設立以降、プロデューサーとして舞台や音楽イベントなどの企画製作に従事。 『小泉今日子書評集 』 (2015 年、中央公論社 、『 黄色いマンション 黒い猫 』 (2016
年、スイッチ・パブリッシング 、『 小泉放談 』 (2017 年、宝島社 など著書多数。

 

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